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シナリオ☆おひとり雑技団

過去のシナリオ置き場です。無断転載はお断りしています。感想などはどんどん受付けています。

20枚シナリオ『メロドラマ』

去年書いた課題です(サスペンスがかけなくて課題がとまっている不甲斐無さ…)!

 

大好きな東村アキコ先生の「タラレバ娘」のドラマ化がとても楽しみなのですが、

年齢設定をいじるのはやめてくれと思いました。

 

だって、30歳と33歳って雲泥の差だから。20代の差と30代の差は残酷なものなので。

 

そんなわけで、この作品もややこじらせたアラサー女子が主役ですが、メロドラマの課題テーマからはズレてしまった印象が、、、、

 

___________________________________

 

「恋なんて、しようと思ってするもんじゃないのに、恋だ、愛だとうるさい世界」

 

☆人物

浦島 みずき(30)コンビニのアルバイ

雨宮 真(20)浪人中のアルバイ

江口 悠子(30)みずきの友人・主婦

斉藤(29)コンビニの客

 

 

○コンビニ(深夜)

   もさっとした見た目の浦島みずき(3

   0)がレジで黙々と商品を精算する。

   目の前に、20代前半のカップル。

男「お前、カラコンで盛ってっけど、俺はす

 っぴんのお前のがが好きなん知ってる?」

女「は? 別にあんたのためにカラコンして

 ねえし!!(ツンデレに)」

男「じゃあ、他の男に色目使ってるのか?」

   みずき、ふっと不敵な笑みを浮かべる。

女「ちょっと店員、何笑ってんの!」

みずき「いや、カラコンしてるからって別に

 男のためにお洒落してないし、ていうか、

 お洒落全般、何だろ、全て異性にモテるた

 めにしてるとか、何につけ恋愛に絡めるの

 とかどうなのかなって思うんですよね」

   カップルは顔を見合わせて、やばいも

   のを見た風に店を去っていく。

雨宮「お見事」

   商品を胸に抱えた雨宮真(20)がレ

   ジにやってくる。

みずき「イチャコラするなら家でやれって思

 うじゃない」

雨宮「え? あいつらしょっちゅう立ち読み

 する客だから、嫌がらせしたのかと」

みずき「て、てゆうか、話しかけるな。男と

 親しくするために働いているわけじゃ」

雨宮「毎週ネズミーランドに行って、ミッチ

 ーに会うためっすよね。労働するにあたっ

 て、同僚と親しくすべき、とは僕も思いま

 せん。僕たちは同士じゃないですか」

みずき「分かっているなら、雑談は」

   上半身びしょ濡れの江口悠子(30)

   が店に入ってきて、みずきを見るなり、

悠子「ドライヤー貸してー(と泣き付く)」

みずき「……ここはコンビニです」

悠子「控え室にあるでしょ、どうせ」

雨宮「……お客様、困りますよ」

悠子「何よ、童貞臭い顔して」

雨宮「童貞臭い顔って何ですか」

みずき「あの、この女、私の連れだから」

悠子「あー、寒い寒い」

   勝手に控え室へ入っていく悠子。

雨宮「……友達は選んだほうがいいっすよ」

みずき「友達なのかは謎だけどね」

 

○コンビニ・控え室(深夜)

   下着姿の悠子、タオルで身体を拭く。

   雨宮、ドアを開ける。振り向く悠子。

雨宮「(声にならない声)ひゃうあ?!!」

悠子「ドライヤーないわね、あり得ない」

雨宮「し、失礼しました」

   出て行こうとする雨宮の腕を悠子が取

   り、振り向いた雨宮の唇に悠子の唇が

   重なる。唇を離し、小馬鹿に笑う悠子。

悠子「ん。やっぱり、童貞じゃん?」

○コンビニ(深夜)

   控え室を心配そうに見るみずき。

   そこへ、酔っ払ったスーツ姿の斉藤

   (29)が入ってくる。下を向くみず

   き。

 

ネズミーランド・園内

   全身、ミッチーのキャラが書かれた服

   や、ミッチーの耳をつけたみずきが、

   とても生き生きとした顔で、はしゃぐ。

   × × ×

   写真投稿SNSに投稿される、みずき

   の撮った園内の写真。

   【週1ネズミー、超充実。ミッチーが

   永遠の恋人。新しいグッズゲット】

   満足そうな顔のみずき。

   SNSのタイムライン、みずきの投稿の

   上に、悠子の投稿。男の部屋らしき場

   所で缶ビールが机に転がっている。

   【飲みすぎた。普段食べないものを食

   べちゃった。うふふ、美味しかった】

みずき「食べたって、何を?!」

   悠子の投稿が続き、男物のワイシャツ

   を羽織り、赤ワインを掲げた自撮り。

みずき「……見境いなくて、最低っ」

 

○コンビニ

   老人の客がゆっくり商品を見ている。

   レジで暇そうにしているみずき。

   雨宮が店に入ってくる。

雨宮「お疲れ様っす」

   雨宮、手で首元を押さえて、みずきの

   前を通り過ぎるが、急に曲がってきた

   老人とぶつかる。雨宮の手が首から離

   れ、首に内出血の跡が見える。

   みずきの視線を感じた雨宮が顔を赤く

   して、慌しく控え室へ入っていく。

みずき「……えええ?!」

○デパート・高級アパレル店内

   黒スーツの悠子が接客している。

   窓の外にもそっと立っているみずきを

   発見した悠子、ひらひら手を振る。

   みずき、ゆっくりと手招きする。

 

○デパート・屋上

   煙草を吸う悠子、黙っているみずき。

悠子「30歳を過ぎた童貞は魔法使いって言

 われるんだって、私言ってやったわけよ」

みずき「は? 突然何の話」

悠子「雨宮君とやったのか、聞きに来たんじ

 ゃないの? ふふ、片思い歴何年?」

みずき「違う! 悠子が何人の男と性的関係

 を持っていようが私には関係ない」

悠子「え? じゃあ、話すのやめる」

みずき「……い、言い過ぎました」

悠子「人生一度きり、遊び倒そうって決めて、

 一期一会セックスを楽しんでるだけよ」

みずき「いや、雨宮の話なんだけど」

悠子「本人に聞いてみなよ」

みずき「は?! でも、あの、首のアレ」

悠子「人の事より自分の心配しなさいよ。

 30歳で処女って誰も有難がらない。

 さっさとドブにでも捨てなさいよ~」

みずき「う、うるさい!! 世の中には恋愛

 と無縁の人間がいっぱいいるのに!!」

悠子「怖いだけでしょ。ねえ、合コンに呼ん

 であげるよ? 気になる人もいないの?」

 

○コンビニ(深夜)

   酔っ払った斉藤がズボンのポケットを

   漁っている。

斉藤「あれ、さ、財布がない……」

   レジのみずき、視線を泳がせている。

   斉藤、レジの商品をいったん戻そうと

   する。商品の籠を手で押さえるみずき。

斉藤「え?」

みずき「あ、あ。このままで」

斉藤「すんません(にこっ)」

   斉藤は店の外に出て、財布を捜す。

みずき「……困っている人を助けるだけ、下

 心ではなく親切心。……それだ」

   みずきも店の外へ行く。

   コンビニの中から雨宮が、斉藤とみず

   きのやり取りを覗く。

 

○コンビニの外(深夜)

   財布を持った斉藤がみずきに頭を下げ、

斉藤「助かりました。有難うございました」

みずき「(俯き)い、いえ、いつもご利用い

 ただいていますから」

斉藤「……家族のいなくなった暗い部屋に帰

 るのが嫌で、どうにも飲み過ぎてしまう」

みずき「……はあ」

斉藤「お姉さん、今度一緒に飲みに行きませ

 んか? これ、僕の名刺です」

   みずき、斉藤から名刺を受け取り、そ

   して、はっとした顔になる。

みずき「す、すいません。大丈夫ですので」

   みずき、慌てて店内に。

   斉藤、頭の後ろを掻いて立ち尽くす。

 

○コンビニ(深夜)

   雨宮、みずきの様子をちらちら見る。

雨宮「……ああいうのが好みなんすか」

   棚卸し中のみずき、固まる。

みずき「違う……そういうのじゃ。ってゆう

 か、無駄口叩くなって言ってるのに」

雨宮「30年守ってきたものを、あんな男

 に捧げちゃうんですか」

みずき「……あ、あのさ、捧げないし、私に

 恋愛話を振っても意味ないから」

雨宮「仲間だと思ってたから。ちょっとガッ

 カリ……酒を沢山飲まされて、勢いで抱か

 れて、普通の恋愛信者に成りさがるんだ」

みずき「仲間って何よ。私は恋愛に向いてい

 ないだけで、過去には恋の一つだって」

雨宮「それ、何十年前の話ですか?」

みずき「うるさい。やけに絡むわね」

雨宮「分かっちゃったんで。僕、あなたが…

 …。あの人に無理やり(ごにょごにょ)で

 も、不器用で可愛いあなたが……僕は」

   みずき、手の中のポテチの袋を雨宮の

   胸に投げつける。

みずき「ば、バカにするな!」

雨宮「は?」

みずき「悠子と寝て自信つけたのか知らない

 けど、プライド持って恋愛不適合な人生生

 きてるんだから!」

   目に涙を滲ませ、拳を強く握って、立

   ち尽くすみずき。

   床に落ちたポテチの袋を、雨宮思い切

   り踏みつける。

雨宮「……信じてくれないなら、もういい」

   

○コンビニの外(夕方)

   斉藤が植木に腰掛けている。

   私服姿のみずきが目の前に立つ。

斉藤「(顔をあげて)お疲れ様」

みずき「魔法使いになりたくないんです」

斉藤「……何の話?」

   みずきはミニスカートの裾を、恥ずか

   しそうに下にずらし、笑う。